10月6日 メタル交流会を開催しました
2025年10月6日(月)16:00~18:00、津山市役所東庁舎 E101会議室にて、津山ステンレス・メタルクラスターの「メタル交流会」を開催しました。
今回の交流会では、一般社団法人AI・IoT普及推進協会 代表理事兼事務局長の阿部 満 氏を講師にお招きし、「労働人口減少時代における稼働率向上を目指したDX導入」をテーマにご講演いただきました。
◆ 講演概要
阿部氏からは、急速に進む労働人口の減少という社会課題に対して、中小企業がどのようにデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていくべきか、実践的な視点からお話をいただきました。
まず触れられたのは、日本のものづくりにおける「品質の高さ」についてです。これは日本の大きな強みである一方で、その品質を維持するために検査やチェック工程に多くの人手がかかっている現状があります。これが結果として、労働生産性を下げる要因にもなっています。
この課題に対して、阿部氏は、高精度カメラやセンサーを活用した検査工程の自動化を提案されました。最近の機器は非常に性能が高く、人の目よりも正確な判定ができる場合も多く、人手を別の工程に回すことで、全体の稼働率向上と業務効率化につながると強調されました。
また、ロボットの導入についても言及があり、かつては高価だったロボットも、現在では比較的安価なモデルも登場しており、特に単純作業の自動化には積極的に検討すべきと述べられました。導入時のコストを抑えるには、安価なITツールや機器を組み合わせて活用することが重要です。
ただし、大企業のように一部の部署で試験的に導入できる体制とは異なり、中小企業では会社全体で一斉に取り組む必要があるため、導入のハードルが高く感じられることもあると指摘。しかし、小さな業務から少しずつ改善を重ねることがDXの第一歩であるとも述べられました。
その他の主なポイント:
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生成AI(ChatGPTなど)は無料で使えるものもあり、マニュアル作成や事務作業の効率化に有効
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データを活用できる人材の育成が急務。感と経験に頼るのではなく、教科書的な基本を押さえた上で判断すべき
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外部の専門家に相談することで、無理のないDX推進が可能
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「鳥の目(会社全体を俯瞰して経営改革する視点)」「虫の目(経営資源を直接見て業務改善する視点)」「魚の目(経営資源の流れを観察して業務改善する視点)」「蝙蝠の目(反対から物事を見て経営改善する視点)」の4つの視点を持つことの重要性
◆ おわりに
参加者からは「具体的で実践的な話が多く、今後のDX推進に向けたヒントが得られた」との声が寄せられ、大変有意義な交流会となりました。
津山ステンレス・メタルクラスターでは、今後も会員企業の発展や地
域の産業振興につながる活動を継続してまいります。